仕上げの東京鉋・三代目千代鶴”寛寿”と、道具の昇華

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鉋がけで普段から必ず最後に出す鉋です。

 

刃の厚さも薄めで、地金は練鉄を使った仕様なのでとても砥ぎやすい

かなり古い鉋のようです。

 

東京鉋

三代目千代鶴”寛寿”

 

 

『大工道具を昇華させた鍛冶の記録』

として本も出版されている重鎮の鍛冶屋、その弟子です。

 

 

明治から昭和にかけ、高い技術と美的感覚で、日本の伝統工具の頂点をなす作品を作り出した鍛冶が、千代鶴是秀です。

名門刀工の血筋を引きながら、大工、木彫家、職人、芸術家問わず多くの使い手に敬愛され、作り手たちからも尊敬を集めてきたその作品と人物は、現代においても伝説的な存在となっています。

引用元       Amazon.co.jp

 

仕上げの寸八

この寛寿は仕上げ鉋として使っています。

 

技能検定などでも二寸鉋で荒削りした後に平面と艶出しで使用しました。

 

▼サイズ一覧

刃・寸&mm 削れる寸法
二寸 80mm 68mm
寸八 70mm 62mm
寸六 65mm 56mm
寸四 60mm 50mm
寸三 55mm 45mm
寸二 50mm 40mm

 

東京都鉋製造協同組合の刻印入り

 

鉋銘の左下にまるの形状の刻印が打ってあります

昭和30年代のはじめ頃に、三代目千代鶴延国の落合宇一氏が中心となって東京の鉋鍛冶のところを奔走し、鍛冶職は自分の腕に絶対の自信を持った誇り高い人達ですので一つに纏めることは大変に難儀なことなのですが、三代目千代鶴の落合氏の熱意と努力によって東京の鉋製造業界の向上・発展と親睦のために東京都鉋製造協同組合が結成されました。

組合長には三代目千代鶴の落合氏が就任しました

引用元  (有)スズキ金物店

 

謎の多い刻印だと思っていましたが、この鉋の落合氏が大きく関わっていたようです。

 

今では鉋鍛冶も数えるほどに減少してしまいましたが、当時は鉋や鑿の製造も盛んで、

鍛冶屋同士が切磋琢磨して技術を競いあっていたのだろうと思います。

 

古い鉋ですが本当に良く切れます、大工の手道具は手入れして時代を越えて使い続けられるのがいいところです。

 

二寸鉋の中しこ

 

▼こちらに記事でも鉋の紹介をしているので合わせてどうぞ

新潟与板の二寸鉋、二代目左寛次を引き継いで使う